Viva!スペインバル・スペインワイン

美味しいスペインワインが飲める店、発見!

メソン・マドリード

スペインワイン、発見!


スペインバル(Bar)メソン・マドリード外観

JR総武線・東中野駅東口を出て歩くこと約5分、商店街の中程を左に曲がった閑静な住宅街の一角に、大きな黄色いパエージャ鍋に書かれた「メソン・マドリード」の文字が目に飛び込んでくる。スペイン語で「旅籠(はたご)」とか「軽食堂」を意味する「メソン」を掲げるこのスペイン料理店は、オーナーの快活なキャラクターが今日も客を呼び寄せる。

Tomomi Inoue(井上資巳)[2004-11-12]


「タパス」の名を日本で初めて使ったレストラン

メソン・マドリードタパス1 予約した午後6時、扉を開けると、いつものようにオーナーの宮内恵美子さんが笑顔で迎えてくれる。今夜は一番乗り、店内では若いスタッフがキビキビと準備にいそしむ姿も気持がいい。ソムリエの資格を持つ宮内さんは、スペイン料理の普及を目指して5年前に設立された「日本スペインガストロノミー協会」の代表でもある。スペインの食文化をもっと気軽に味わってもらいたいという考えから、1991年に店をオープン。いまでこそよく聞く「タパス(つまみ、小皿料理)」という名を使ったのは、この店が最初である。
さて、今夜のワインは何にしようか? 前回来た時は、BALANDRAを頼み、大変美味しかったことが思い出される。同じPriorat(プリオラート)地区のl'Arcもイイですよ、とのリコメンドをいただき、さっそくオーダー。プリオラートらしく、テンプラニージョではない。平均樹齢60年のカリニェナ、カベルネソービニヨン、ガルナッチャの3種のブレンドだ。ひと口目、樽熟成からくる甘くも深い味わいがプーンと広がる。
と、その時「今晩は!」と颯爽と現れたるは明比淑子さん。いつもの相棒Noriko-sanが仕事の都合で来られず、この日はゲストとしてシェリー委員会の日本代表を勤める明比さんにご同行を願った次第だ。つまみは例によって、最初は生ハムとチョリソをいただくが、見慣れぬものがついてきた。聞くと、Picos(ピコス)というスペインの乾パンである。小麦粉と塩だけで焼いたあっさりとした味は、チョリソによく合うし、ハムで巻いて食べるのもオツなものだ。パンがない時などこれだけでも満足してしまう、名バイプレーヤーといったところか。


タパスには、スペインならではのシェリー酒もよく似合う

メソン・マドリードタパス2でも、このつまみに赤ワインはないでしょと、シェリーを注文。やってきたフィノのドライタイプEleganteは、口当たりが穏やかで軽い。Tio Pepeで有名なGonzalez Byass(ゴンザレス・ビアス)社の製品で、Tio Pepeがベリードライタイプなのに対し、こちらはその名の通りエレガント。ま、Tio Pepeがオジさんなら、Eleganteはいとこの娘さんみたいなものか。普段さほどシェリーが進まない私だが、結構イケてる。
再び赤ワインに戻ろう。「これ飲みやすくて、とっても優しい。プリオラートも飲みやすいのが出て来たわよね」と明比さん。プリオラートのワインというと、『1980年代、荒れ地だったこの地に才能あふれる造り手4人組が集結し…(ナントカ、カントカ)…』といったお決まりのフレーズがあるが、時代は動いています。今では新しい世代も頑張ってるんだよね。マッシュルーム、背黒いわしのビネガー漬けなど次々に運ばれてくる料理とも相性よし。
この店、タパスを標榜するだけあってその種類も豊富。ホワイトボードには、季節のおすすめメニューが書き込まれている。ちなみにこの月はマドリードの名物料理「コシード」。ヒヨコ豆と牛、豚、鶏肉、そしてチョリソ、生ハム、ジャガイモ、人参などを6-7時間かけてとろ火で煮込んだものだ。材料のエキスがとけこんだスープに細いパスタを加えたものと、煮込んだ食材そのものの2品が供される。『1メニューで2度美味しい』というわけだ。ペルセベス(かめの手)もメニューに載る日があるという。以前マドリードで初めて食べた思い出があり好物なのだが、この日はなくて残念!

BARANDRABalandra L'ARCl'Arc ERMITAErmita



ボタスを回せば、たちまちアミーゴス!

メソン・マドリードボタスさて、次なるボトルはJumilla(フミージャ)のフルボディERMITA。ボトルまでがヘビーときている。このクラスのモノで、このガッシリした重さはちょっと迷惑かもね。品種はテンプラニージョ、モナストレル、カベルネ、メルローのブレンド。すごっく飲みやすいのは、ブレンドの妙であろう。明比さん曰く「モナストレルだけだと、甘味が突出して、結構ゴッテリしているのにね」。
再びシェリー酒で、オロロッソに手が伸びるころには、バレンシア製の椅子が心地よく、しばし夢心地モードに。しかし「メソン(旅籠)」を名乗っていても、ここで宿泊はできません。気を取り直し、最後はbotas(ボタス)という山羊の革袋に入ったワインの回し飲みに参加。これ、こぼさないで飲むのが結構難しいのだが、コツさえつかめば "Take it easy"。この夜は気さくなオーナーとシェリーのエスペシャリスタの貴重なお話を拝聴できたことを喜び、酩酊気味の重い腰を上げる。店を出て空を見上げると、星が輝いており、晩秋の爽やかな風が頬をなでるのであった。満足。満足。

メソン・マドリード店主写真 宮内さんによると、ワインはだいたい50種類くらいストックしてあり、リオハやリベラ・デル・ドゥエロ、プリオラートはもとより、いろいろな地域のモノを入れるようにしているとのこと。チャコリ(微発泡のワインで、独特の注ぎ方がある)も入荷することがあるそうだが、なかなか入らない。なんせ、フレッシュさが売り物だからね。オススメはしょっちゅう替わるが、 スペインのロゼワインが宮内さん個人的には要注目だとか。テンプラニージョ種、ガルナッチャ種、モナストレル種などのロゼもあるという。「辛口で美味しいですよ、タパスには白より合うと思います。来年の春から夏にはオススメワインとして紹介しますから期待してください」。来年が待ち遠しい・・・

【今回試食・試飲した主なメニュー】
・ハモンイベリコ+チョリソ…1,500円
・どんぐり豚のロース肉の鉄板焼き…2,000円
・マッシュルームのセゴビア風…850円
・自家製背黒いわしのビネガー漬け…750円

・シェリー酒「オロロッソ」…グラス 600円
・シェリー酒「エレガンテ」…グラス 500円
・BALANDRA(cosecha 1998/D.O.Priorat)…ボトル 6,100円  ※この日は飲んでいません。
・l'Arc(cosecha 1999/D.O.Priorat)…ボトル 5,900円
・CASA de la ERMITA(crianza 2001/D.O.Jumilla)…ボトル 3,900円

スペインのタパスとワイン「メソン・マドリード
03-5389-6002・6040
東京都中野区東中野1-22-18
5:30p.m.-12:00(無休・年末年始除く)



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