
スペインの料理への関心が高まり、このところスペイン風バルを標榜し、ワインやタパス(つまみ)を扱う店が増えてきている。
そんな中に、今年(2004年)の10月で9年を迎えるレストラン「Tio
Danjo(ティオ ダンジョウ)」がある。東京・恵比寿から徒歩5分弱という地の利のよさもあって、こじんまりとした店内は連日賑わいを見せている。
Tomomi
Inoue(井上資巳)[2004-08-05]
▼
バルセロナオリンピックで目覚める
この店のオーナーシェフである壇上桂太氏によると、この店は今年の10月でオープン9年になる。昨今のスペイン料理ブームを作った火付け役のひとりとも言えるであろう。「いままでスペイン料理を知らなかった日本人の間でも、バルとかタパスというものに、なじみが出てきたのでしょう」と語るように、ここ2カ月ほどは予約で連日盛況を見せている。
元々フランス料理を志していた氏がスペイン料理へと転身したきっかけは、今年アテネを熱狂させたオリンピックがバルセロナで開催された1992年の頃。旅行で現地を訪れて以来、フランス料理やイタリア料理のチマチマしたものに飽きてからだという。その料理に対す哲学は創業以来変わらない。現在、メニューは20品ほどが定番としてあり、季節に応じて10品ほどが加わるという。
現地の味わいをそのまま日本人に提供したい
タパス(スペイン風のつまみ)なら、ビールにも合うし、安いカジュアルタイプのワインでも合う。とりたててワインの銘柄を声高に主張することもあるまい。しかしチーズやジビエなどのしっかりした味わいの食べ物には、スーパースパニッシュや最近のモダンタイプなど、気合いの入ったワインとの取り合わせがオススメであろう。
店のコンセプトである「日本人向けにアレンジするのではなく、現地のモノは現地のスタイルで」という考えは、最初に注文した「Callos(カジョス=牛胃袋の煮込みマドリッド風)」にも見てとれる。チョリソの辛味と胃袋のサクサク感が絶妙だ。「少しマニアックかもしれませんが、あえてマニアックを貫きたい」という心意気がうれしい。
そこで壇上氏の気合いに負けぬよう、トロのワイン「OROT」をいただく。 うん?産地が「TORO」で、名前は「OROT」・・・スペルをひっくり返しただけじゃん。少しイージーじゃないの? でも、ま、シャレが効いてるよな。2000年のCrianzaだが、最初の一杯目から果実の味わいが広がる。アルコール度数14.5%とかなり高い。
Orot Altos
de Luzo'n
店にはおよそ60銘柄のワインをストック
同時に注文した「マシュルームのソテー生ハム風味」は肉厚。フーフーしながら食すが、これまた結構。といって、グラスを重ねるごとにOROTは、まろやかさがグーンと増してくるのであります。
TOROとはいってもトロくない。頭クラクラ、腰フラフラ。結構強烈だが、1本をNoriko-sanと飲み干す。次なるお目当てはフミージャ産の「ALTOS」、壇上氏のオススメを見過ごすわけにはまいらぬ、てな具合で飲んじゃうもんね。こちらもアルコール度数14.5%、ガツンとくるよな。色合いにまだ紫色が残っているが、かなりの凝縮感で迫ってくる。酸味がイキイキしているし、バランスもいいようだ。フミージャのワインは近年注目されているとはいえ、2,000円台くらいのものが一般的。それらに比べると、少しお高いだけあって、なかなかのパフォーマンスを見せつける。お隣のNoriko-sanはちょっと行き過ぎとのたまうのでありますが・・・。
ワインについては、1本のみのものも加えると、約60銘柄のストックが常時用意されているという。中には、1万円を超えるレアなワインもある。
最近は年一回秋にスペインへ出かけ、現地で毎年リリースされたものの中から、気になった銘柄を何種類かテイスティングして、仕入れるという。これまでの10年でおよそ100銘柄提供してきたそうだ。訪れた日も、もうじきスペインに出かける頃とのお話であった。次なるワインリストにどんなワインが加わるか、目が離せそうにない。
【今回試食・試飲した主なメニュー】
・牛胃袋の煮込みマドリッド風…S 900円/M 1,300円
・マシュルームのソテー生ハム風味…S 900円/M 1,300円
・OROT(crianza 2000/D.O.Toro)…ボトル 4,800円
・ALTOS de LUZO'N(cosecha 2002/D.O.Jumilla)…ボトル 5,900円
▼
スペイン料理「Tio Danjo(ティオ ダンジョウ)」
03-5420-0747
東京都渋谷区恵比寿1-12-5 萩原ビル3-2F
5:30p.m.-1:00a.m.(日曜・祝日定休)
(c) Noriko Horikoshi, Tomomi Inoue, TOMOS-NETWORK 1997-2009
協力:SPAIN-JAPAN.COM
|